中大規模木造建築の法改正にともなうビジネスチャンスとは?

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近年注目の大規模木造建築とは~建築業が知っておくべきポイントを解説

本記事でお伝えしたいポイントは、中大規模木造建築市場に、今、大きなビジネスチャンスがあるという点です。

理由は、2021年10月1日の「公共建築物等木材利用促進法」一部改正です。

今回の改正では、木材利用促進の対象が公共建築物から建築物に拡大になりました。

改正によって、民間建築物向けの木材利用促進に関するプロジェクトへの公的支援も実施されます。

各省庁、地方自治体や関係団体に呼びかけにより、民間企業の木材利用も活発になることが期待されています。

今回は、中大規模木造建築の法律改正と普及のポイントについて後述します。

 

中大規模木造建築の法律改正とは?

「公共建築物等木材利用促進法」の一部改正は、①民間建築物における非住宅分野や中高層建築物の木造率の向上と、②脱炭素社会の実現を目的としています。

主な改正事項は以下の通りです。

<主な改正事項>
・法律の題名、目的の見直し
・公共建築物から建築物一般への拡大
・木材利用促進本部の設置
・「木材利用促進の日」、「木材利用促進月間」の制定

詳しくは、林野庁HP 改正公共建築物等木材利用促進法を参照ください。

 

中大規模木造建築の普及への課題と解決策

今後、非住宅分野や中高層建築物の木造化を進めていくにあたっては、①民間の建設投資を促すための補助・融資の積極的な活用や、②中大規模木造建築の設計・施工のノウハウ共有、③中大規模木造建築の高付加価値化などが必要と考えられます。

民間の建設投資を促すための補助・融資の積極的な活用

木造化に関する補助制度では、国土交通省住宅局の「サステナブル建築物等先導事業」をはじめ、農林水産省林野庁の「CLTを活用した建築物等実証 事業」、環境省地球環境局の「建築物等の脱炭素化・レジリエンス強化促進事業」など、数多くあります。

ただし、上記の補助金は、高額な補助額が期待できる一方、選定条件も厳しく採択数が限られています。

農林水産省林野庁の「JAS構造材実証支援事業」(補助上限額1,500万円)は、少額でも採択件数が多く見込める補助金です。(※来期の募集は未定です)

また、エリアの自治体にて、県産材の利用を促進する「県産材需要拡大施設等整備事業」などもありますので、自治体の補助制度もチェックしてみてください。

中大規模木造建築の設計・施工のノウハウ共有

中大規模木造建築では、低層階と高層階で設計・施工方法が異なってきます。

低層階の場合、①軸組工法(在来工法)、②枠組壁工法(2×4工法など)、③次世代工法(SE構法など)等、地場の工務店、ビルダーの既存の住宅建築の工法を武器に、非住宅市場へ参入していくことが期待されます。

また、高層階では、鉄骨並みの強度を持つ集成材や、鉄骨造、コンクリート造と木造を組み合わせた特殊な混構造の開発などによって、大手ゼネコンを中心にオフィスビルなど高層木造建築物が登場しています。

エンドユーザーの求める価格と、建てる側の技術面の障壁をクリアし、高付加価値な木造商品の開発を進めていくことが求められます。

中大規模木造建築の高付加価値化

高付加価値な木造商品の事例では、以下のような非住宅にて木造建築が導入される事例が出ています。

<木造建築の高付加価値化が期待される建物>
・従業員の満足度を向上し、健康経営を目指す職場環境(事務所・オフィスなど)
・高齢者・障がい者をリラックスさせ、脳の活性化を促す環境(高齢者・福祉施設など)
・子ども達のストレスを緩和し、木育で五感を養うための学びの環境(保育園、幼稚園、学校など)

近年では、木の香りが与える心身リラックス効果や集中力のアップが科学的に解明されています。

また、木造は、鉄骨造やRC造に比べて減価償却期間が短いです。節税対策では、同じ金額でも短期間で多くの費用を計上できる木造が有利です。

エンドユーザーに、中大規模木造建築の良さを伝えるための集客・営業・商品を整えていく必要があります。

中大規模木造建築に関する高い知見や専門性を持つプロ人材も育てていくことが望まれます。

 

まとめ

今回は、中大規模木造建築の法律改正と普及のポイントについてご紹介しました。

公共建築物木材利用促進法では、日本の木材自給率向上を図るため、建築物の木造化・木質化を国・自治体が推進しています。

一方、コロナ禍での米国の住宅購入ブームを発端としたウッドショックにより、木製品の価格高騰・値上がりが続いています。

今回の法改正を契機に、自社で県産材を利用した木造商品を開発し、中大規模木造建築の専門店として積極的な営業を仕掛けてみてはいかがでしょうか?

数年先に選ばれる会社であるために、ぜひ次の一手をご検討いただけますと幸いです。

何卒、宜しくお願いします。

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