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GMP(ジーエムピー)とは?
今回は、GMP対応の建築についてご紹介します。
GMP(Good Manufacturing Practice)とは、医薬品の製造と品質管理に関する国際基準のことです。
もともとは、アメリカで始まった医薬品製造業者が守るべき法令で、1968年にWHO(世界保健機関)にてGMPに基づく証明制度を採用するよう加盟国に通達が出ました。
日本では、1974年に厚生労働省にて、「医薬品の製造及び品質管理に関する基準」によりGMPが導入されました。
改正GMP省令が、2021年4月に公布され、同年の8月より施行となります。
「GMP省令は、医薬品の製造と品質管理に関するソフト面に関する法令ではないのか?」と思われるかもしれませんが、GMPの実践にはソフト・ハード両面による適切な対応が必要です。
GMP対応の建築の計画・設計時の配慮
GMPには、基本要件で3原則があり、GMPに対応した設計・施工が必要となります。
【GMP3原則】
(1)汚染、品質低下防止
(2)人為的ミス防止
(3)品質システムの構築
例えば、(1)汚染、品質低下防止では、異物が混入しないように、以下のような計画・設計時の配慮が考えられます。
①建物計画の例
外部からの虫の侵入を防止するため、建物と植栽の距離を離し、虫がつかない樹種を選定します。
②配置計画の例
汚染作業エリア、準汚染作業エリア、準清潔作業エリア、清潔作業エリアに区分し、人・モノ・水・空気の適切な動線を計画します。
③設備計画の例
従業員が、作業着に着替えたのち、ローラー掛けや手洗い、アルコール消毒、エアシャワーを実施して入室できるサニタリー室を設置します。
GMPにおけるハード面に関する基準は、「薬局等構造設備規則」が該当します。
医薬品を製造する設備の基準が示されていますので、詳しくはこちらを参照してください。
清浄度を保つクリーンルーム
医薬品は、工程の内容に応じて、適切な清浄度の環境で製造する必要があります。
このため、空気中のチリ・ホコリや微粒子、微生物などを制御するために、クリーンルームが必要となります。
クリーンルームでは、チリ・ホコリや微粒子、微生物などを①持ち込まない、②発生させない、③速やかに排除する、④堆積させないという4原則があります。
設計・施工では、特殊なノウハウや設備が必要で、一般的な空調設備の10倍以上の設備費用となります。
クリーンルームは、医薬品のほか、食品、半導体、精密機械の製造工場など用途も広くあるため、自社でも提案できるようにしておくと他社との差別化要素になると考えられます。
GMP対応の建築のまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、2021年8月に施行する改正GMP省令にあわせて、GMP対応の建築についてご紹介しました。
築20~30年を経過した施設の破損・老朽化に対する補修・リニューアルは年々増え続けています。
また、老朽化が更に進んだ建物は、補修・リニューアルから、解体、建替え、移転、リニューアル需要に切り替わっていきます。
医薬品製造業に対して、GMP対応の建築を打ち出す企業は、一部の設計・建設会社に限られているため、新規参入の余地は十分に考えられます。
新規の事業戦略にて、GMP対応建築を特化型商品として、他社との価格競争に巻き込まれない提案を検討してみてはいかがでしょうか?
何卒、宜しくお願いいたします。
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