【建設業向け】資材価格高騰の現状!今後も上昇していく価格への対策とは

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【建設業向け】 2024年版資材価格高騰レポート

 
本記事では、「資材高騰の対策」についてご紹介します。
価の高騰では、スーパーやコンビニでの買い物をはじめ、身近なところでも商品・サービスの値上がりを実感されているというお話をよく伺います。
建設業界においては、建設資材価格の高騰が建設工事額にも影響しており、頭を悩ませているご担当者様も多いかと思います。
今回は、身近な商品の値上げから、インフレ・デフレの仕組み、住宅会社や土木会社、ゼネコンなどの業界の値上げの対応をご紹介します。

身近な物価高騰の話題

1)マクドナルドの「ハンバーガー」の値上げ
はじめに、身近な値上げの事例で、マクドナルドの「ハンバーガー」の値上げについてご紹介します。
日本マクドナルドでは、2022年3月から、一部商品の店頭価格を値上げし、「ハンバーガー」が110円(税込)から130円(税込)に値上げとなりました。
「ビッグマック」や「マックフライポテト」など、8割の商品は据え置きとしていますが、「ハンバーガー」や「フィレオフィッシュ」などは10~20円(税込)の値上げを行っています。

2)世界の経済力を測る指標「ビッグマック指数」
ちなみに、世界の経済力を測る指標で、「ビッグマック指数」というものがあります。
「ビッグマック指数」とは、マクドナルドの「ビッグマック」の店頭価格を、世界各国で比較したものです。1位はスイスの804円です。
「ビッグマック」の原材料は、世界でもほぼ同じものを使っているので、国の通貨の価値を示す指標となっています。
日本は、世界57か国の比較で33位となっています。世界と比較すると、日本の物価や賃金水準は上がり幅が小さいと言われています。

3)「景気の好循環」の状態とは
ここで、1つ考えていただきたいのが、「モノの値段が上がること」は良いことなのか悪いことなのかということです。
「景気の好循環」は、今までよりも物価が上がっている状態です。
先ほどお伝えした事例では、「ハンバーガー」が110円から130円(税込み)に値上げとなっている状態のため、「景気の好循環」となります。
企業の業績が上がり従業員の賃金が増え、消費が活性化しますので、緩やかなインフレが「景気回復」の理想の状態となります。
反対にデフレの状態(=つまり、物価が安くなり、賃金水準が低くなる状態)は、消費が落ち込むため経済が回らなくなってしまいます
急激なインフレは経済を混乱させますが、物価上昇が緩やかに進む状態は望ましいと言えます。

4)アメリカにおける急激なインフレ抑制
米FRB(連邦準備制度理事会)は、2022年6月に27年半ぶりとなる金利0.75%引き上げを発表しました
金利の引き上げによって、企業投資や個人消費を抑制し、過熱したインフレを抑える狙いがあります。
海外の多くの先進国でも、今、急激な価格高騰が問題になっており、インフレを抑える動きとなっています。
ただし、金利の引き上げによってモノは売れなくなるために、アメリカの景気は悪くなります。
アメリカは、世界経済の主要国ですので、景気悪化が世界へ影響を及ぼすことなどが危惧されています。
ここまで、インフレとデフレの仕組みについてご紹介しました。
ここで、知っていただきたいポイントが、インフレとデフレでは、モノの売り方が異なってくるということです。
では、「自社の商品・サービスをどのように売っていけばよいか?」ということですが、マーケティングの考え方を参考にご紹介します。

建設資材の価格高騰

2021年にはコロナ不況、ウッドショック、2022年にはウクライナ危機により世界的な物価上昇が続いており、建設資材の高騰も激しい状況です。

以下のグラフで示す1990年度から現在までの建築工事費デフレーターより、建設資材の価格高騰を読み取っていきましょう。建築工事費デフレーターとは、建設工事に費やされている費用、「資材」、「労務」、「サービス」、「小売り商品」を基準年度の実質額に変換する指標です。

出典:国土交通省「建設工事費デフレーター 最新の公表資料」

建築工事費は、年々上昇傾向にありますが、特に2012年から急激に高騰していることがわかります。この価格高騰に伴い、対策を講じる必要があります。

インフレ・デフレ時代のマーケティングの考え方

高度経済成長期の”モノ不足時代”では、供給より需要が多く、何でも売っている総合店(百貨店、総合建設会社など)が大きく成長を遂げました。
つい最近までは、需要より供給が多い”モノ余り時代”です。建設業界においても、建設会社が余っており、「選ばれない会社」が増えている状態が続いていました。
しかし、コロナ禍やウクライナ危機を契機として、また”モノ不足時代”に差し掛かっています。
繰り返しとなりますが、インフレとデフレでは、モノの売り方が異なってくるということです。

大手流通グループの「専門店の複合化戦略」

現在、国内最大手の流通グループは、実績のある専門店を集めた「専門店の複合化戦略」を国内・海外でも展開し、百貨店と多く差をつけています。
「専門店の複合化戦略」は、家電量販店や100円ショップ、ファストファッション店など、集客力のある核テナントを複合商業施設に集める戦略です。
最近では、マンションに加え、医療・介護やオフィスなどを誘致した複合商業施設も登場し、注目を集めています。

建設業における戸建専門店の複合化戦略

建設業界でも、小売・流通業の潮流に学び、インフレ時代の対策を取っていく必要があると考えられます。
「専門店の複合化戦略」で成功するモデル企業では、地方商圏で業績を伸ばす戸建の住宅会社があります。
戸建住宅の専門ブランドを複数展開し、商圏内での多くの客層をつかむことに成功しています。
①注文住宅(2,500万円以上~)、②規格住宅(2,000~2,300万円)、③建売住宅(1,800万円以下~)の複数ブランドを作り、ウッドショックによる客層の変化にも対応しています。
現在、住宅業界では、コロナやウッドショックの影響で伸び悩む会社が多くありますが、そのような中でも業績を伸ばし続けています。

建設資材価格高騰への対策

建設資材価格高騰への対策として、本コラムではコスト調整の観点から2つの方法をご紹介します。

価格転嫁

価格転嫁とは、建設資材費や燃料費等の上昇により失う利益を、製品やサービスの売値を上げることで販売先に負担(転嫁)させることです。

価格転嫁を実現するには、原価を示した価格交渉が有効です。効果的な価格交渉のためには、コスト増加分を定量的に把握し、原価を割りだして提示することが有益です。

また、全国のよろず支援拠点に価格転嫁サポート窓口が設置されており、価格交渉、価格転嫁の後押しを受けることができます。

スペックダウン

取引先が求める目的に対して、必ずしも必要としない機能や工程を有しているために過剰スペックとなっている商品があります。必要なスペックまで下げることで、価格を抑える方法もあります。

その他対策

コスト調整の観点以外にも建設資材価格高騰の対策として、設計段階で概算見積もりを行うことでのコスト削減、高騰前に資材を発注する等があります。

まとめ

今回は、建設資材価格高騰の対策についてご紹介しました。
<本記事でお伝えしたいポイント>
・コロナ不況、ウクライナ危機などにより、世界的な物価上昇が続いている
・緩やかなインフレは、「景気回復」の理想の状態である
・現在は、「専門店の複合化戦略」が業績を伸ばしている
・建設資材価格高騰の「コスト調整」は、 ①価格転嫁、②スペックダウンがある
対策について、今回ご紹介した手法以外にも、補助金を活用するなど、様々な手法があるかと思います。
物価上昇は世界的に続いている問題ですので、解決方法は、自社の新たなビジネスチャンスにもつながると考えられます。
本業にて多くの利益を獲得できるように、ぜひ、引き続きの対策をご検討いただけますと幸いです。
 
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