
本コラムをお読みいただきありがとうございます。船井総合研究所のコンサルタント平川です。
はじめに
昨今、土地活用業界を取り巻く環境は、かつてないほどの大きな転換期を迎えています。建築費は高止まりを続け、それに伴い土地の価格も上昇傾向にあるため、従来の土地活用提案では、十分な利回りを確保することが非常に困難になってきています。この数年で、土地活用の利回りは約1~2%程度も低下しているという事実が、この厳しい業界状況を如実に物語っています。
また、人口減少は日本全国で深刻な問題となっており、戸建住宅の新規着工戸数は減少の一途をたどっています。加えて、アパート・マンション市場においては、すでに供給過多の状況が続き、新規の土地活用提案はますます厳しさを増しています。このような状況下で、多くの土地オーナー様や個人投資家様は、大規模な投資に対して非常に慎重な姿勢を見せており、結果として商談が長期化し、時には収益性の悪化や、残念ながら失注へとつながるケースも少なくありません。
このような業界の現状に直面し、既存のビジネスモデルだけでは今後の持続的な成長が見込みにくいと感じている建設業界の経営者様、土地活用業界の事業者様も多いのではないでしょうか。私たちは、このような困難な時代だからこそ、新たな土地活用の可能性に目を向けるべきだと考えます。今後の業界をリードし、安定した収益を確保していくためには、従来の常識にとらわれない発想と、市場のニーズを的確に捉えた商品開発が不可欠です。
本コラムでは、土地活用業界の現状と今後の予測を踏まえ、厳しい市場環境下でも高い収益性を実現できる「新たな土地活用商品」に焦点を当ててご紹介します。特に、今、最も注目されている土地活用のカタチと、そのビジネススキーム、そして成功事例について深掘りしていきます。今後、貴社の事業を飛躍させるためのヒントが、このコラムの中に見つかるはずです。
土地活用業界を取り巻く厳しい現状と今後の課題
土地活用業界は、現在、多岐にわたる深刻な問題に直面しています。その一つが、建築費と土地価格の継続的な高騰です。資材価格の上昇や人件費の高騰により、建築コストは依然として高い水準で推移しており、それに伴い土地の仕入れ価格も上昇しています。この結果、土地活用によって得られる賃料だけでは、投下資本に対する十分な利回りを確保することが極めて困難になっています。従来の土地活用ビジネスの採算性が悪化しているという事実は、業界全体の共通認識として、経営者様を悩ませていることでしょう。
さらに、日本の人口減少は、土地活用業界に甚大な影響を与えています。戸建住宅の新規着工戸数は年々減少傾向にあり、住宅市場の縮小は避けられない現実となっています。加えて、長らく続いたアパート・マンションの建設ラッシュにより、都市部のみならず地方においても供給過多の状況が顕著です。空室率の上昇は、賃料収入の減少を招き、土地活用の収益性をさらに圧迫しています。このような環境下では、一般的なアパートやマンションの土地活用では、もはや競争力を維持することが難しい状況にあります。
一方で、相続税法の改正により、相続税の納税義務者が増加したことで、相続税対策としての土地活用ニーズ自体は高まっています。しかし、このニーズの増加が、そのまま大規模な土地活用につながっているわけではありません。多くの土地オーナー様や個人投資家様は、大規模投資に対して非常に慎重な姿勢を示しています。経済の不確実性や、今後の不動産市場の動向に対する懸念から、億単位の投資決断には二の足を踏む傾向が見られます。この慎重な姿勢が、土地活用の商談を長期化させ、結果として、土地活用提案のタイミングを逸したり、最悪の場合、プロジェクトが失注したりするケースも少なくありません。
このような状況は、建設業界や不動産業界における土地活用ビジネスにおいて、今後、従来のビジネスモデルだけでは立ち行かなくなる可能性を示唆しています。業界全体として、今後どのような方向性で土地活用を進めていくべきか、真剣に考える時期に来ていると言えるでしょう。
「新たな土地活用」の可能性
このような厳しい土地活用業界の現状において、今後の事業成長を可能にする解決策は、「小規模かつ高利回り」を実現し、「長期的な安定収益が見込め」、さらに「希少性の高い土地活用商品」を提供することに他なりません。人口減少が進む中でも、需要が見込める商品にこそ、今後の土地活用業界における勝機があります。
その具体的な解決策として、今、土地活用業界で最も注目を集めているのが「トランクルーム」です。トランクルームとは、物品を収納するスペースを貸し出す不動産物件であり、コンテナタイプ、ビルインタイプ、そして特に新たな土地活用商品として注目される「新築タイプ」があります。貸し倉庫、レンタル収納スペース、ストレージとも呼ばれるこの事業は、現代社会の多様なニーズに応える、非常に有望な土地活用の選択肢です。
なぜトランクルームが、今後の土地活用業界においてこれほどまでに注目されるのでしょうか?それは、従来の土地活用モデルが抱える課題を解決する、多くのメリットを持っているからです。
まず、トランクルームは、アパートやマンションに比べて比較的小規模な投資で始めることが可能です。これは、大規模投資に慎重な土地オーナー様や個人投資家様にとって、参入のハードルを大きく下げることにつながります。
次に、高利回りを期待できる点です。一般的に、トランクルームはアパートやマンションに比べて坪単価あたりの賃料収入が高く、運営コストも抑えられるため、高い収益性を実現できる可能性があります。業界全体が利回り低下に苦しむ中で、この「高利回り」という特性は、明確な差別化要因となります。
さらに重要なのは、その希少性と強い需要です。都市化の進展や住宅のコンパクト化に伴い、一般家庭や企業の収納スペースは不足しています。引っ越しやリフォーム、季節用品の保管、コレクションの収納、事業の在庫保管など、多様なニーズがトランクルームに集中しています。
建設業界の視点から見ても、トランクルームは魅力的な新たな事業の柱となり得ます。既存の住宅や集合住宅建築の市場が縮小する中で、「高単価&高粗利」で「紹介&リピート受注」が見込め、かつ「無競合建設業」という独自の強みを持つ事業として、トランクルーム建築事業は、今後の貴社の成長戦略において非常に重要な位置を占めるでしょう。土地活用業界における新たな収益源として、そして建設業界の未来を切り拓く事業として、トランクルーム事業の可能性は計り知れません。
トランクルームによる土地活用ビジネスモデル
私たちは、土地活用業界の変革期において、トランクルーム事業が貴社の今後の成長を牽引する力となると確信しています。ここでは、具体的なビジネススキームと、実際にトランクルーム事業で成功を収めている企業の事例をご紹介し、今後、貴社がどのようにこの市場に参入できるかをご提案します。
トランクルームによる土地活用のビジネススキームは、大きく分けて以下の3つのパターンが考えられます。
1.土地オーナートランクルーム事業者様向けの、建築会社とのマッチング
〇土地オーナー様が土地活用を検討する際に、船井総研が最適な建築会社とマッチングを行うサポートを提供します。土地活用を考えているオーナー様にとっては、信頼できる建築パートナーを見つけることが重要であり、私たちはその橋渡し役を担います。
2.建設会社様によるトランクルーム建築事業
〇建設会社様が、土地オーナー様に対してトランクルーム建築を提案し、受注するモデルです。これは、建設業界における新たな収益源として非常に有望です。
〇事例1: あるT市の建築会社様(売上20億)は、トランクルーム建築で68棟、30億円もの受注実績を上げています。この会社は建築に特化し、運営管理は専門業者に丸投げすることで、効率的な事業拡大を実現しています。今後、貴社が建築に強みを持つのであれば、このモデルは非常に参考になるでしょう。
〇事例2: また、H市の建築会社様(売上10億)は、トランクルームを12棟建築し、さらにその全棟を自社の資産管理会社で保有しています。運営管理も内製化することで、「超高収益事業」の立ち上げに成功しています。これは、土地活用による不動産収益と建築収益の両方を得ることで、今後の安定経営と企業価値向上を目指す建設業界の経営者様にとって、非常に魅力的なモデルです。
3.不動産会社様によるトランクルーム運営事業
〇不動産会社様が、トランクルームの建築は外注し、運営管理に特化することで、高利回りのサブリース事業を確立するモデルです。
〇事例3: N市の不動産会社様(売上4億)は、累計20棟のトランクルームをほぼ無人で管理し、一括借上率60%という高水準を達成しながら、利回り10%を実現しています。
〇船井総研は、これらの土地活用ビジネスモデルの構築と実行を、月次支援や「建設業経営研究会」を通じて強力にサポートします。建設業経営研究会は、建設業界の経営者の皆様が直面する多岐にわたる経営課題(原価削減、生産性向上、技術伝承、M&A、後継者育成など)に対するソリューションを継続的に生成し続ける「インフラ」でありたいと考えています。この研究会を通じて、今後の業界を生き抜くための情報収集、シナジー創出、参加価値の向上を図ることが可能です。
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レポートには、以下の重要な情報が網羅されています。
●土地活用業界の現状: 建築費高騰、供給過多、オーナー様の慎重姿勢など、業界の厳しい現状を詳細に解説。
●2025年、土地活用業界の予測: 今後求められる「小規模かつ高利回り、希少性の高い土地活用商品」の具体像を提示。
●2025年に実施いただきたいこと: 新たな土地活用商品としてのトランクルームの特性とその魅力。
●具体的な取組み: 土地オーナー様、建築会社様、トランクルーム運営事業者様、それぞれの立場での土地活用ビジネススキーム。
●成功事例: トランクルーム事業で実際に大きな売上を伸ばした建築会社や、高利回り事業を確立した不動産会社の生の声。
●船井総研がお手伝いできること: 月次支援や「建設業経営研究会」を通じた、貴社の今後の事業成長への具体的なサポート内容。
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