建材価格の値上げ対策とは?
本記事では、「建材価格の値上げに対して、建設会社がいかにして新規受注を獲得するか」についてご紹介します。
お伝えしたいポイントは、見積金額の内訳のいずれかを安く抑えて、他社より価格を下げる必要があります。
工事原価には、材料費、労務費、外注費、経費があります。
自社利益を削る、人件費を抑える等は限界がありますので、スペックを下げることが有効と考えられます。
例えば、値上がりしている鉄骨が価格に影響するため、鉄骨の使用量を極力少なくするシステム建築工法を採用するなどが望ましいと考えられます。
その他の専門工事についても同様の考え方です。
値上がりしている材料の使用量を少なくする工法・製造メーカーを採用すべきと言えます。
建材価格の値上げ状況
ある内装建材では、コロナ前の140~160%増の値上がりで建材商社と内装工事会社の交渉が行われています。
製造メーカーの価格表改定では130%増の提示ですが、今後、段階的に値上げが行われる予定です。
地場の建設会社の場合、これまでと同じ戦い方では、ボリュームディスカウントが可能な大手建設会社に対して太刀打ちできなるなることが危惧されます。
建材の商流と今後の値上げ予測
建材の商流では、製造メーカーで製造・加工し、建材専門商社を経由の上、専門工事会社へ販売されます。
製造メーカーおよび建材専門商社のコロナ禍における建材価格の値上げは、途中段階であり、まだ上がり続けています。
直近の工事案件は、値上がり前の販売価格ですが、2022年以降の工事案件の場合、建材価格の値上げは避けられません。
民間建築の場合、当初の予算と合わず、計画の延期や中止にいたるケースも危惧されています。
建設会社にとっては、民間投資の抑制は、数年先の建設案件の不足にも影響を及ぼすと考えられます。
では、地場の建設会社は、建材価格の値上げに対して、今から、どのような対策を打っていけばよいのでしょうか?
建材製造メーカー見直し方法
まずは、スペックを下げることを前提として製造メーカー・建材専門商社を見直しします。
付き合い先の製造メーカーの製品を基準に、競合他社メーカーの価格・強度・形状等で比較していきます。
製品を詳しく調べていくと、材料の使用量が最も少ない製品・製造メーカーが見つかります。
強度や品質・意匠性は劣りますが、施主の予算を超えない提案が期待できます。
次に、製造メーカーの見直しですが、付き合い先の建材専門商社に依頼するとうまくいきません。
他社の製造メーカーへの変更を受けることは、既存の付き合い先の製造メーカーと建材専門商社の信頼関係を脅かすことにつながるためです。
恐らく、「値上げは、各社一律で実施するため、価格・性能も変わりません。製造メーカー選定は当社に任せてください。」といった回答が出てくると思います。
総合建設会社、専門工事会社から、製造メーカーへの直接の問合せの上、価格なども確認してみるのがよいと考えられます。
建材価格値上げ対策のまとめ
今回は、建材価格の値上げ対策についてご紹介しました。
「建材価格の値上げは一時的なものであり、古くからのお付き合い先をわざわざ変える必要はない」というご意見もあるかもしれません。
一方で、他社にも目を向けることで、①付き合い先企業のメリット・デメリットを再認識できる、②条件の良い製造メーカーが分かる、③製造メーカーとの直販取引ルートがみつかるなど、新たな可能性に出会う可能性もあります。
数年先の建設案件でも、選ばれる会社であるために、ぜひ早めの対策をご検討いただけますと幸いです。
何卒、宜しくお願いいたします。