2021年6月18日(金)に、「事業再構築補助金」(第1回公募)の採択結果が発表となりました。
自社、あるいはお付き合い先等でも、申請を出された企業様は多かったのではないでしょうか?
第1回公募では、緊急事態宣言特別枠で55.3%(2,866者/5,181者)、通常枠・卒業枠・グルーバルV字回復枠で30.2%(5,150者/17,050者)の採択率となりました。
採択金額は、予算総額1兆1,485億円の約1/5に当たる約2,200億円となっています。
今回は、第1回公募の採択結果からみた「事業再構築補助金」の申請対策についてご紹介します。
第1回公募の統計分析
採択された企業は、以下のような年商10億円未満の中小企業が中心です。
<採択企業の概要>
資本金:2~3,000万円
従業員数:3~40名
売上:8~9億円
利益:1~2千万円
※当社、独自調査での参考数値。通常枠・卒業枠・グルーバルV字回復枠のみを対象。
営業種目では、製造業が最も多く、宿泊業,飲食サービス業、不動産業・物品賃貸業、卸売業・小売業、建設業が続いています。また、赤字企業は全体の1割程度の割合となっています。
採択金額ごとの採択結果
今回、応募金額は、1,000万円以下(7,309者)と6,000万円(4,184者)に二極化しました。
3,000万円を超えると金融機関の確認が必要となるため、3,000万円をわずかに下回る申請も多かったようです。
ただし、採択結果では、6,000万円を超える応募金額の採択者は、全体採択者のわずか1%(約80者)にとどまっています。
100~1,500万円が最も多く、全体の4割以上を占め、次いで4,500万円以上の案件が約3割程度となっています。
採択された事業タイトルからみた傾向
採択者の事業タイトルで多く使われたキーワードを、以下にまとめました。
<事業タイトルの表示回数ランキング>
製造(984回)
新分野(561回)
加工(423回)
事業計画(394回)
部品(369回)
表示回数の高い「製造」に関する申請は、第2回以降も増えるとみられます。
また、上記には記載していませんが、表示回数ランキング上位に上がってきたキーワード(システム、EC、オンライン、テイクアウト、ロボット、プラットフォーム、デジタル、IoT、非接触型、自動化、通販、デリバリー、アプリなど)は、事業再構築の鍵となる手法と考えられます。
例えば、「製造業が、新しく食品加工工場と自社ECサイトを開設し、地域の食材を加工・販売する小売業としてBtoCビジネスを展開する事業」などは、第1回公募でも採択されています。
次回公募に向けた対策
事務局では、「売上高10%要件や売上高構成比要件を達成できなかった場合、補助金の返還義務はない」としています。
これは、事業計画の達成に向けて責任をもって取り組むことを前提としながらも、コロナ不況で経営難にある企業へ新たなチャレンジを求める救済措置であると考えられます。
第2回公募以降での申請を検討している企業様は、その場しのぎとならないように、しっかりと事業計画を練りつつも、チャレンジ性の高い事業計画を作成いただければと思います。
認定支援機関について
今回の申請では、認定支援機関探しに苦慮された企業様も多かったように思います。
採択者の認定支援機関では、地銀(1,604者)が最も多く、信用金庫(1,297者)、税理士(816者)・税理士法人(727者)、商工会議所(724者)、民間コンサルティング会社(875者)となっています。
第2回公募以降の申請においても、既に付き合いのある銀行・信用金庫や商工会、税理士などに依頼することが望ましいと考えられます。
まとめ
今回は、第1回公募の採択結果からみた「事業再構築補助金」の申請対策についてご紹介しました。
2020年度のものづくり補助金の場合、第1回から第4回公募にて採択率は62.5%から31.2%と減少しています。
このため、「事業再構築補助金」も、第2回公募以降は申請数が増え、採択率は下がってくるものと推測されます。
第1回公募の採択結果を踏まえ、ぜひ、皆さまも「事業再構築補助金」の申請をご検討してみてはいかがでしょうか?
詳細は、中小企業庁HPの最新情報をチェックしてみてください。
https://jigyou-saikouchiku.jp/
何卒、宜しくお願いいたします。