今回、お伝えしたいポイントは、建設会社の経営者様に、2022年度の事業再構築補助金を活用いただきたいという点です。
理由は、2022年度の補正予算案にて、事業再構築補助金は約6,100億円で継続することが決まったためです。
中小企業で最大1億円の補助額があり、建物の建設費、 建物改修費、撤去費が補助対象経費に含まれます。(中堅企業は最大1.5億円です。)
2022年度の補正予算案詳細はこちら
コロナ不況等で経営難にある中小・中堅企業が対象となります。建設会社の場合、自社あるいはお客様(施主)の2通りの申請パターンが想定されます。
2021年度の採択事例では、早期の事業計画づくりや認定支援機関との連携によって、数千万円の補助金を活用し建設計画を進めている会社が数多くあります。
今回は、過去の採択結果を踏まえて、建設業経営者の失敗しない「事業再構築補助金」申請についてご紹介します。
採択者の成功事例
地場ゼネコンのA社では、「民間工事シフト戦略」が採択されました。
同社は、特許工法を売りとした土木工事が主体の事業でしたが、民間工事の受注獲得に向けた事業計画を打ち出しました。
産業分類上では、細分類の062土木工事業から064建築工事業への「事業転換」に該当します。
新社屋を建設し、事務所・オフィス建築をはじめとした民間建築を受注していく事業計画で、数千万円の補助金の採択を受けています。
また、以前より取引のあった地銀を認定支援機関とし、資金調達まで考えた実現性の高い事業計画としたことが採択にもつながっています。
事業再構築補助金の申請と新規事業のポイント
「事業再構築補助金」申請のポイントは、以下が挙げられます。
<採択されやすい申請方法のポイント>
・業種転換、事業転換が分かりやすい事業は可否が判断しやすくなります。
・資金は、資金調達計画をしっかり説明する必要があります。
・審査員が理解しやすい表現を用いたほうが良いです。
・事業再構築補助金の要件は、今一度確認の上、不備がないかチェックします。
・「事業再構築補助金」では、実現可能性が高い事業計画が必要です。
・事業計画に会社全体の売上計画も検討する必要があります。
また、失敗しない新規事業のポイントは、以下も参考としてください。
<新規事業のポイント>
・より利益率の高い業種を選んだ方が、経営者も社員も楽になります。
・既存の人財を活かし、人数のかからない事業の方がスタートしやすいです。
・新たな商品・サービス・商圏より、本業に近いビジネスから取り組んだ方が、成功する可能性は高いです。
第1~3回の採択者の分析
第1~3回までの採択結果では、申請20,307~22,231者に対して採択者8,016~9,336者(採択率36.1~44.9%)です。
製造業が全体の21.8~31.7%と最も多くなっていますが、第1~3回で製造業の採択割合が減り、卸売業・小売業、建設業の採択割合が増える傾向が続いています。
採択額100~1,500万円の割合が全体の5割程度が続いていますが、第3回では少額な採択者が減り高額な採択者が増えています。
2022年度の事業再構築補助でも、過去の採択者との偏りをなくすよう調整される可能性が考えられます。
また、第1~3回までの採択者の事業計画名で、注目されるキーワード(EC、テイクアウト、ブランド、レンタル、プラットフォーム、ワーケーション、デリバリー、ドローン、非接触、リサイクル、通販、シェア、セルフ、 IoT、WEB、サブスクリプションなど)は、事業再構築の鍵となる手法と考えられます。
事業再構築補助金のまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、建設業経営者の失敗しない「事業再構築補助金」申請についてご紹介しました。
事務局では、「売上高10%要件や売上高構成比要件を達成できなかった場合、補助金の返還義務はない」としています。
これは、事業計画の達成に向けて責任をもって取り組むことを前提としながらも、コロナ不況で経営難にある企業へ新たなチャレンジを求める救済措置であると考えられます。
自社あるいはお客様(施主)でも十分に採択の可能性はありますので、ぜひ、皆さまも、関係者に「事業再構築補助金」の申請をご相談してみてはいかがでしょうか?
詳細は、中小企業庁HPの最新情報をチェックしてみてください。
何卒、宜しくお願いいたします。