本記事では、中堅・中小企業の経営戦略にてオフィスDX化をおすすめしています。
DX=デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)とは、簡単に言うと、デジタル技術によって事業を抜本的に変革することです。
例えば、満員電車で通勤していた従来の働き方から、リモートワークを導入し在宅勤務の働き方に変更するように、社会での生活や働き方を変革することがDX化です。
将来的には、社会全体にDXを推進し、最適なものにしていくことが期待されています。
目次
DX化が必要な理由
DX化が必要な理由は、生産性を向上するためです。
生産性は、「生産性=粗利÷総労働時間」の関係にあります。
従業員が粗利をより多く稼ぎ、総労働時間を短くできれば、企業は生産性が向上します。
では、なぜ、生産性の向上が必要なのでしょうか?
背景には、経済産業省がDXレポートの中で指摘した「2025年の崖」が挙げられます。
「2025年の崖」とは、日本が既存の古いシステムを使い続けた場合の国際競争の遅れや経済の停滞を指す言葉です。
改善できない場合、2025年以降、最大12兆円/年(現在の3倍)の経済損失が発生する可能性があると指摘しています。
一方、2025年までに既存システムを刷新しDX化を推進することで、実質GDPを130兆円越に押し上げる効果があるとの試算もDX実現シナリオにて描かれています。
以上を踏まえると、DX化による生産性の向上は、社会における喫緊の課題と言えます。
「DX認定制度」がスタート
経済産業省では、2020年より、「DX認定制度」をスタートしています。
DX戦略の推進企業を認定する制度で、東証一部上場企業を中心に約300社が登録しています。
注目されるポイントは、「DX認定制度」がDX銘柄選定の条件となったことです。
このため、DX銘柄選定を目指す上場企業を中心に、「DX認定制度」登録が進んでいます。
なお「DX認定制度」は、非上場企業・中小企業も選定の対象となります。
「優良企業選定」制度がスタートするため、非上場企業・中小企業を含め企業全体で登録が広がっていくことが期待されています。
DX戦略の推進は、企業の新たな価値として評価される時代へ変化しています。
ここまでが、DXの概要について記述しました。
企業のオフィスDXの動き
続いて、オフィスDXの動きについてご紹介します。
コロナ禍では、ライトサイジング(オフィス面積を縮小する)の企業依頼が数多くありました。
業績不振から規模縮小を迫られるマイナスなイメージもありますが、そもそものオフィスに求められる機能や必要なオフィス面積についても議論・見直しがなされるようになりました。
稼働のない会議室、従業員の出社が少ない執務スペース、使われないOA機器に、毎月の家賃・共益費や水道光熱費、リース代を支払い続けることは、企業の経営戦略上では不要なコストです。
このような場合、オフィスの必要面積を見直し・縮小し、また、不要なコストは削減していきます。
WEB会議ニーズの対応
コロナ禍の緊急事態宣言をきっかけとして、WEB会議の開催頻度が爆発的に増えています。
このため、オンラインでの共同作業や、オンライン商談・セミナーなどを浸透させ、ICT環境・データアクセス環境などを整備することが求められています。
新しいオフィスづくりでは、社内外の交流スペース(フリーアドレス制を採用)やWEB会議スペースを拡充するなど、日常の仕事や、在籍人数、出社率などに応じてオフィスの作り方を変える手法が採用されています。
ここまでが、オフィスDXのハード(建物・設備など)についてご紹介しました。
オフィスDXツールの導入
オフィスDXのソフト(アプリケーションなど)では、リモートワークやオンライン会議を実現するZoomをはじめ、DXツールの企業導入が急速に進んでいます。
コロナ禍では、リモートワークやオンライン会議の導入スピードの違いが、企業の売上・利益や競争力にも大きく影響を及ぼしました。
DXツールでは、基幹システムや、人事管理、名刺管理、電子署名、クラウドデータ管理、RPAなど、最新ツールに注目が高まっています。
将来のデジタルディバイト(IT情報技術の利用有無で生じる、貧富や機会、社会的地位などの格差)にて、勝ち組となれるよう、可能な限り積極的な投資を実施の上、DX導入を推進することをおすすめします。
オフィスDX化・リニューアルの効果
オフィスDX化は、生産性向上だけでなく、企業の新たな価値を生み出します。
オフィスのリニューアルによって、採用率・商談成約率の向上、職場環境の改善、企業の価値向上、SDGs・ESGの社会貢献などの相乗効果が期待されます。
また、DX人材の採用・育成など、若手の積極採用を図り、人材も可能な限り増やすことをおすすめします。
ぜひ、皆様も、今後の経営戦略の1つとして参考にいただけますと幸いです。
今後とも、何卒、宜しくお願いいたします。
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