解体工事の依頼を受ける際、現場に古い家具や家電、生活ゴミなどの「残置物」がそのま
ま残されているケースは少なくありません。こうした解体前の残置物は、法律上「一般廃棄物」に分類されます。
解体工事業者が注意すべきなのは、「解体工事で出たゴミ(産業廃棄物)」と「元から家の中にあったゴミ(一般廃棄物)」では、必要な許可や処分方法が全く異なるという点です。本コラムでは、解体工事における一般廃棄物の正しい取り扱いと、トラブルを防ぐポイントを解説します。
この記事でわかること
• 解体工事における「産業廃棄物」と「一般廃棄物」の違い
• 解体業者が一般廃棄物を運搬するリスク
• 解体現場の一般廃棄物(残置物)を正しく処理する 3 つの方法
• よくある質問(FAQ)とまとめ
1. 解体工事における「産業廃棄物」と「一般廃棄物」の違い
解体工事に関わる廃棄物は、法律によって明確に区別されています。
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種類 |
具体例 |
必要な許可 |
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産業廃棄物(産廃) |
建物を解体したことによって発生する木くず、コンクリート片、金属くず、ガラス窓など |
産業廃棄物収集運搬業許可 |
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一般廃棄物(一廃) |
解体する建物内に残されたタンス、ベッド、食器、衣類などの家庭系ゴミ |
一般廃棄物収集運搬業許可(市区町村) |
2. 解体業者が一般廃棄物を運搬するリスク
「解体工事のついでにトラックでゴミも持っていってほしい」と施主から頼まれることは
多々ありますが、安易に引き受けてはいけません。
一般廃棄物収集運搬業の許可を持たない解体業者が残置物を運搬・処分すると、「廃棄物
処理法違反(無許可営業)」となります。5 年以下の懲役もしくは 1,000 万円以下の罰
金、またはその両方が科される非常に重いペナルティが存在します。また、一般廃棄物の
許可は各自治体が新規発行を厳しく制限していることが多く、解体業者が新たに取得する
のは極めて困難なのが実情です。
3. 解体現場の一般廃棄物(残置物)を正しく処理する
3 つの方法
解体工事をスムーズに進め、コンプライアンスを遵守するためには、見積もりの段階で施
主へ以下のいずれかの方法を提案し、合意を得ておくことが重要です。
1. 施主(発注者)自身で事前に処分する
最もコストを抑えられる方法です。解体工事が始まる前に、施主自身で自治体の粗
大ゴミ回収に出すか、地域のゴミ処理施設へ直接持ち込んでもらいます。
2. 一般廃棄物収集運搬業の許可業者へ委託する
施主の手間を省く場合、自治体から許可を得ている一般廃棄物の収集運搬業者を
手配します。解体業者が提携している許可業者を紹介することで、施主の利便性向
上につながります。
3. リサイクル業者や買取業者を活用する
まだ使える家具や家電(家電リサイクル法対象品目を含む)であれば、解体前に不用
品買取業者やリサイクルショップに依頼してもらうことで、廃棄物そのものを減らす
ことができます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 解体工事のついでに家具やゴミを少しだけ一緒に処分してもらえませんか?
解体工事業者であっても、一般廃棄物収集運搬業の許可がない場合は家庭のゴミ(一般
廃棄物)を回収・運搬することは法律で禁止されています。
Q2. リサイクル家電(テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど)はどうすればいいですか?
家電リサイクル法に基づき、適切な処分が必要です。購入した店舗に引き取りを依頼する
か、指定引取場所に持ち込む、あるいは許可を持った回収業者へ依頼する必要がありま
す。
まとめ|解体見積もり時の事前説明がトラブルを防ぐ
解体工事における一般廃棄物(残置物)の取り扱いは、施主との間で「言った・言わない」の
金銭トラブルになりやすいポイントです。
「解体業者は法律上、家庭のゴミ(一般廃棄物)を運べない」というルールを事前見積もりの段階で丁寧に説明し、正しい処分ルートを提案することが、解体業者としてのコンプライアンス証明となり、顧客からの信頼獲得につながります。
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