■テーマ「福祉用具レンタル業 イチ事業所の動きがマーケットを変える!」
ウチの地域は人口が減って、高齢者ばっかり残って、この先どうなるんだろう・・・
日本全国見渡しても、そんな不安を抱えている方はたくさんいらっしゃると思います。
いまや東京や大阪など大都市圏を除いて、どの地域でも人口減少と高齢化の波にさらされています。
働き手が少なくなるなかで、介護サービスを担う人手もどんどん少なくなっている。
福祉用具事業をやっていても、先々の環境を考えると出るのはため息ばかり・・・
そんな状況で、ある事業所の動きがマーケットを変え始めています。
今回はそんな、ちょっと希望が見えるようなお話をご紹介したいと思います。
ポイント1:ケアマネがいない!レンタルが入らない!
このコラムでも何度も登場していただいている株式会社フローラ様
福祉用具レンタル事業を介護保険がはじまる当初からやっています。
本社の隣町、取手市という商圏があります。
ここがなかなか利用者数が伸びず、かなり苦戦しているエリアでした。
・・・というのも包括さんに聞くと、とにかくケアマネがいない!
他のエリアと同じように高齢化率も上がり、介護保険認定者も増えています。
ところが受けてくれるケアマネがいないので、担当ケアマネが付かない。
そうするとレンタルが入らずに、それでも環境調整をしたいという方は住宅改修か、福祉用具の購入でなんとかしのいでいる状態でした。
そんな状況が2年も3年も続くなか、社長のなかではやっぱりこんな思いが芽生えるようになります。
「こんなに慢性的な『ケアマネ不足』の地域って、この先取手市に住む人たちはどうなるんだろう・・・」
そんな思いは次第に強くなり、またお付き合いのある居宅でケアマネさんと話しているうちに、
「自分たちで居宅をやって『ケアマネ不足』をなんとかすることはできないか?」
という思いを持つようになりました。
そうして生まれたのが居宅介護支援事業所 エンリッチだったのです。
ポイント2:新しいスタイルで地域でも注目を受ける存在に
居宅介護支援事業所を、よりによって取手市で、やろうとしたときに、周囲からは猛反対されたそうです。
「取手市にはケアマネがいないんだから、人が集まらないよ!」
ふつうに考えて、しごくまっとうな意見だと思います。
でも社長の鬼束さんはこんな風に考えました。
「みんながダメだと思うなら、いっそうそこでやることに意味がある。」
「ケアマネ資格はもっているけど、ケアマネの仕事に従事していない人もたくさんいるはず・・・」
そうして人材採用の募集をかけたところ、採用予定人数の7倍もの応募を集め、とても意識の高いメンバーを集めることができました。
さらに、ケアプランの作成にはAIアプリを使い、書類管理や事業所内・事業所間のやり取りもクラウド化するなど、
従来の居宅介護支援事業所とはまったく異なるスタイルの事業所を立ち上げていきました。
ケアマネはリモート勤務が可能で、必要なときにはオフィスに出社して、場所を選ばない働き方をしています。
そのような新しいスタイルの居宅介護支援事業所の動きは、地域でも徐々に注目されるようになっていっています。
「あの新しい居宅、なんかちょっと違うやり方でケアマネが増えてるらしいよ・・・」
「1人で50件も60件もプラン持ってるんだって〜」
ケアマネのなかには、
「ちょっと、もしチャンスがあったらあそこで働きたいかも・・・」
そのような影響が徐々に、徐々に広まっていっているそうです。
ポイント3:居宅が増えて「ケアマネ不足」が解消する!?動きが出始めた!
慢性的に「ケアマネ不足」が顕著であった取手市ですが、ここ最近で風向きが変わってきているそうです。
エンリッチとは別の居宅介護支援事業所が取手市に事業所開設をする動きがあるとか。
それも近隣エリアでも多数のケアマネを抱える有力な法人さんが取手市に拠点を出すような動きだそうです。
エンリッチが新しいスタイルで稼働しはじめて、地域で風を起こしはじめたことで、新たな動きが出てきているのかもしれません。
また大手福祉用具貸与事業所が取手市に拠点を出すことも噂されています。
もともとは「ケアマネ不足」で、レンタルがぜんぜん入らず、見向きもされなかったところに拠点を出すというのです。
これも居宅介護支援事業所エンリッチの動きによって、地域の介護環境が活性化され、地域の社会資源が充実する動きの一部とみることができるでしょう。
居宅が事業所開設することになるとライバルが増えることになるのですが、鬼束社長はむしろ大歓迎と話しています。
「もともと居宅をはじめた目的は、『ケアマネ不足』を解消し、介護に不安のない地域をつくることだった。他の居宅が来てくれてより一層マーケットが拡大するのは喜びしかないです。」
いかがでしょうか。
イチ事業所の小さな動きが、徐々に影響を広げ、他の法人の動きにつながっていった。
それによって、地域の社会資源の充実につながり、ひいては暮らしやすい地域に変貌していく希望が見えつつあります。
全国どこを見渡しても人口減少と高齢化に直面している地域は多いと思います。
そんな地元に憂いを感じる経営者に、少しでも勇気を与えるお話であれば、うれしい限りです。
今回ご紹介した居宅介護支援事業所エンリッチを立ち上げた鬼束社長のお話をお聞きいただける機会があります。
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■ 執筆者紹介
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株式会社 船井総合研究所
公共・インフラ支援部
シニア経営コンサルタント
入江 貴司
【プロフィール】
シニア向けビジネスの立ち上げを専門に手がけるなかで、福祉用具レンタルと
シニアリフォームを掛け合わせた「セット提案モデル」を開発し業界に対する
専門コンサルティングを進める。
商圏内一番事業所に向けた戦略づくり、マーケティング・営業支援、組織体制
づくりなど業界企業のビジネスモデル化を強力に推進する。
⇒ 入江 貴司 への経営相談は、コチラまで
E-Mail:takashi_irie@funaisoken.co.jp





